沖縄の伝統木造船「帆かけサバニ」造船REPORT⑥
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沖縄の伝統木造船「帆かけサバニ」造船REPORT⑥
帆柱をたてるための穴「はいうしみー」
2017日8月18日
帆柱をはめる部分の製作です。ここに穴を作り、帆が立ちます。
戦後、エンジンがついたサバニ。エンジンがついていても、この帆を立てる穴が残ったものがありました。
サバニの顔ひーじらーを作る
2017年8月25日
船の前の部分、「ひーじらー」の製作。「ひー」というのは、「先」という意味で、「じら」というのは、「面(つら)」ということ。サバニの顔ということですねっ。
「個人的には、ここがとても難しい。」と、大工さんの一言。接着面の形がとても変化に富んでいます。上側は広がっていて、下側は細くなっているし、左右はカーブしているし、そのカーブの角度も上から下にかけて全く違います。船体に合わせて、どこを削るのか何度も何度もていねいに確認しながらの作業です。
2017年8月28日
サバニの先端、「ひーじらー」がつきました。サバニの顔です。どんな走りをするのかなぁ。。。
楽しみでワクワクです。
サバニの後ろ側、「ともじらー」を作る
2017年8月31日
「ともじらー」という、サバニの後ろ部分の製作。とても分厚いです。そしてお、重い。。。なぜ、この部分は分厚いんだろう?水に浸かる部分ではありません。水面から高い場所に、重量のある部分をもってくると、安定感がなくなるのでは・・・?
考えてみました。
・外洋へ渡れるサバニ。大きな波に当たって船体がしなる。それをしっかりと固定している。強度が必要。
・沈おこしの時、起こしやすい。←これは、本に書かれていたのを読んだことがあります。
・帆かけから、エンジンサバニに変化したとき、エンジンを固定するため、強度が必要だった。
機械にあふれる現代は、かっこよさや、流行りで形を決め、機能的にマイナスな部分は機械でカバーする。そのようなこともOKでしょうが、昔はそうはいきません。何か理由があっての、この形なのでしょう。
小さな部分でも、ひとつひとつの部分に意味があり、大切なストーリーが
2017年9月4日
サバニの前と後ろに打たれる「杭」の製作です。
こんなに長い棒状のものが、板の横から向こう側まで突き抜けます。すごいですねぇ。
2017年9月4日
サバニの舷側板(横部分)の縁が、地面に平行に削られました。少しの違いに見えるかもしれませんが、一気に「船」の雰囲気がでます。
2017年9月7日
サバニの後ろにある、「かんだん」という部分の製作。
神様の棚という意味で、とても大切な部分。
進水式の時は、ここにもお米や塩をもって、お酒をかけます。
サバニの縁、「うゎーぐまー」と「うちぐまー」
2017年9月12日
舷側板の上に、長く細い板がつきました。「うゎーぐまー」と言います。「上のちっちゃいやつ」みたいな意味。
舷側板の内側に同じく長く細い板もついています。それは「うちぐまー」。「内側のちっちゃいやつ」みたいな意味。
サバニの名称って、口語というか、人が話しているような感じで名前がある気がします。
帆を立てる場所「うしかき」
2017年9月20日
サバニ全体を磨いた後、帆を立てる場所「うしかき」の製作。サバニ全体で使用している杉ではなく、テリハボクという木を使います。杉よりも固く、海水に強い性質を持っています。この木は、曲がって伸び、広がっていく特徴があるので、かなり大きく成長しないと、このくらいのサイズの板をとることができません。そのため、もう、沖縄本島では手に入らなくなってしまいました。写真の板は八重山諸島から届いたもの。非常に貴重な高級材です。サバニはすべて自然素材。自然の恵みから出来上がるものです。自然の環境の現状に気づき、何かお役に立てる乗り手になりたいなと思います。
2017年9月21日
今日、登場した材料。「あかなー」(赤縄)釣り具屋に売っていて、とてもとても強度があります。これは色々な箇所の固定に使われます。帆にも使われています。
力いっぱい「あかなー」を引っ張って、黙々と、固定作業をしていた大工さん、終わった後、一言。「手がいたい・・・。」
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