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沖縄の伝統木造船「帆かけサバニ」造船REPORT④

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沖縄の伝統木造船「帆かけサバニ」造船REPORT④

樹齢80年以上の木から船底をつくる

帆かけサバニ造船
樹齢80年の船底

2017年6月9日

「スクジー」と呼ばれる船底になる部分を切断。かなり厚く、重量があります。樹齢80年以上の木からできています。ものすごい年輪の数。私たちの生まれるもっともっと前から、この木は生きていたわけですね。大先輩です。なかなかお目にかかれる材木ではありません。

「神社の梁とか柱とか、そのくらいのサイズの木。」と大工さんは言います。これを削って、船底を作ります。
今回の「本ハギ」というこの造船方法は、このような厚い材料を削って作り出す部分と、板状の部分との組み合わせがあることが特徴です。戦後の物資不足の中、厚くて長い材木を手に入れることが難しくなってきた状況の中では、「南洋ハギ」といって、本ハギよりも薄く短い材料を組み合わせる造船方法も生みだされました。
「サバニ」と出会うたび、ひとつひとつ違いあることに本当に驚かされます。作る人、乗るフィールドの環境、歴史。様々な理由がサバニを形作ります。

 

 

つなぎ目はV字にして、強度UP

帆かけサバニ造船
船底のつなぎはV字

2017年6月28日

底の部分は、前・真ん中・後ろの3つのパーツに分かれています。まずは、真ん中の大きなパーツ。パーツのつなぎ目は、写真のように、V字になっています。これが強さのポイント。底部分は、海上で一番パワーがかかる部分。そのため、一直線にパーツをつなぐより、V字につないだ方が、「船のよじれ」に強くなります。お互いのパーツがもしズレてしまうと、水漏れしやすい場所だからです。

しかしっ。V字につなぎ目を削り、パーツをぴったり合わせるのは至難の業。一直線ではないので。また、大工さんの技の見せ所となります。

 

 

頭の中で、木と木が重なる部分をイメージしながら削る

帆かけサバニ造船
つなぎ目を何度も確認

2017年7月7日

船の底部分(スクジー)を作っています。船体に乗せて、どこを削るのか確認してラインを引き、また降ろして削り、乗せる。その繰り返し。これは、すごい。かなり難しいです。

・乗せる部分は、斜めになっている

・船の形に曲げられたので、湾曲した部分に合わせる

大工さんの頭の中には、3D立体でこの部分が描かれているのでしょう。少しずつ削りながら、底板をスーッと船体部分へ落としていくような。「氷が解けて下へ流れていくイメージ。」と大工さんは言います。地域によって、人によってサバニの造船方法は違うと大工さんは話してくれました。底板と、舷側板(横部分)のサイズがほぼ決まっていて、底板を乗せると、ほぼ2つが合っているという造船方法もあると。大工さんの長嶺さんの師匠、新城さんは、このように、曲げられた舷側板に、乗せて合わせていく。という方法です。現物合わせ。どちらもすばらしい技術で面白いですねぇ。

帆かけサバニ造船
船底の厚み

2017年7月11日

スクジー(船底部分)が削られ、舷側板(横部分)の上に乗りました。
厚さ、16cmくらいあります。この部分は、サバニが完成すると、見えなくなるので、この厚さがわかるのは今だけです。
手を置いてみると、どのくらい厚いのかがわかります。
この重さがサバニの安定した走りをサポートします。
また、南の島である沖縄ではサンゴ礁エリアを走らなければなりませんが、もし、何かに接触しても、この厚さが船の安全につながり、乗る人の命を守るとも言われています。

 

 

船底と舷側板との間をつなぐ「カド」

帆かけサバニ造船
舷側板と船底をつなぐ

「カド」と言われる、舷側板とスクジーの間の部分の製作に入りました。これも樹齢40年くらいの木だと思われます。底は、樹齢80年。カドは樹齢40年。合計120年!!なぜ足し算をしたのかはよくわかりませんが、とにかくこれだけの年月をかけて育ってきた木がサバニとして生まれ変わります。

以前、こんな言葉を聞きました。サバニは「産まれる」という言葉を使うそうです。森から木を切って、サバニを造りますが、その木はサバニとして新たな命が産まれるという考えが昔からあるそうです。そんな考え方は、このような何十年のもの大木を使うからこそ出てきた考え方なのかもしれません。

2017年7月13日

まず、映像に出てくるのは、スクジー(船底部分)の、カーラと呼ばれる場所。前側の、とがっているような部分です。カーラは、大きすぎると、直進性は強くなりますが、小回りがききません。小さすぎると、小回りはききますが、風に対しての横流れが大きくなります。
ベストの形をしっかりと見極めて形を作ります。大工さんの腕の見せ所です。サバニの走りを決める、大切な部分です。

次は、「合わせノコ」という作業。最初は、ノコがひっかかり、スムーズに動きません。それは、木材の合わせた接地面が平らにになっておらず、でこぼことなっているからです。何度もノコを往復させることで、平らになってきて、ノコを片手で動かせるくらい、スムーズに動いてきます。これが、隙間が無くなってきた証拠となります。

映像の最後に出てくる、2枚の写真を見てみてください。接地面をよ~く観察してみると、一部分だけ、つるっとなっているところがあります。この部分が、平らになっていない場所で、接地面に隙間が空いている部分とわかります。刃が当たっていないからこのような表面になるのです。うーん。ほんとによくみないとわかりません。

 

 

 

船底の前部分「ひんぐわぁー」

帆かけサバニ造船
船底の前部分「ひんぐわぁー」

2017年7月26日

船底は3つに分かれていますが、その前部分「ひんぐわぁー」がつきました。
削る前の角材だった状態と比べると、たくさん削られたのがよくわかります。小さくなりましたよ~。

 

 

船底の後ろ部分「ともぐわぁー」

帆かけサバニ造船
船底の後ろ部分「ともぐわぁー」

2017年7月17日

 

 

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    この記事を書いた人

    永西由実

    大阪出身。大学時代は大阪府立青少年海洋センターにて、セーリングなど、マリンプログラムに携わる。その後、小学校教師、JICA青年海外協力隊を経て、2013年に沖縄へ移住。 ・赤十字水上安全法救助員Ⅰ ・沖縄マリンレジャーセイフティービューロー認定水難救助員 ・NPO法人沖縄県カヤック・カヌー協会認定ガイド ・一級小型船舶操縦士免許 ・WAFA(Wilderness Advanced First Aid)取得 ・Leave no trace トレーナー取得

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